生と死―自分の命に感謝して素晴らしい人生を
あなた方は死ぬ寸前まで、自分の命は永遠であるかのように生きておられるかもしれない。死というものを、なるべく考えないようにして生きて来られるのかもしれない。
でも、あなた方が避けようとしている死というものは、わたくしたちが、神の子の、実在の世界に帰ることであり、本来の肉体という、あなた方が完璧だと思っているような肉体から解放される瞬間であり、あらゆる感覚が戻り、すべてが光の、神の光の中にさらされ、愛の化身として、神の子としての実在の姿だけで戻っていける、魂の牢獄から解放される瞬間なのです。
死というものを暗く悲しいものとして考えてはなりません。わたくしたちの世界から見たのならば、あなた方、地上におられる方がたのほうが、よっぽど重い重い鎖を両手両足に縛られ、目にはアイマスクのようなものをつけられて、本来の世界が見えない、悲しい悲しい姿に見えるのです。
でも、そのアイマスクをどけてください。手に持っているその鎖を捨ててごらんなさい。あなたの目に何が映りますか。
美しい太陽の姿が。
美しい星々が。
美しい大自然の山が。
緑の風のざわめきが。
小鳥たちのさえずりが。
子どもたちが無心に遊ぶかわいらしい声が。
犬たちが猫たちが、ともにじゃれ合う姿が、まだまだ聞こえてくるのがこの地上ではないでしょうか。
それを見ることができ、聞くことができ、触ることができ、その感動の中で、今命を与えられたということをどうか感謝し、今のときというもの、たった数十年の時なのです。その一日一日のこの大事なときというものを、両手の間からすべて無駄にすることのないように、人生を生きていただきたいと思うのです。
物に振り回され、人の評判や、世情に流れる多くの情報の中において、自分自身の価値を見失うのではなくて、世界中で自分にしかない素晴らしい尊き神性と個性を、神が与え給うた素晴らしい神の子である自分自身であるのだと、かけがえのない自分自身の生涯であるのだと思って、その人生と肉体を、感謝をもって、周りの方がたに愛と感謝を返して、素晴らしい人生を歩んでいかれて、帰って来てほしいと思うのです。
きれい・ねっと 出版
「スピリチュアルメッセージ集51 ヘレン・ケラー」(アマーリエ著) より抜粋