メッセージ
メッセージの一部紹介
初めまして、福澤です。
このような画期的な、素晴らしい計画の場に、わたくしのような者をお呼びいただきましたこと、心から光栄であり、心から名誉なことであると、お礼を申し上げます。
わたくしは生前、宗教者とは違う、一啓蒙思想家、教育者として、その生涯を送った者であります。それゆえあなた方が望まれるような、神理知識というものに対しては疎く、参考になるようなことを申し上げられますか、わたくしも心もとないことでございますが、わたくしにとってできる限りのことを、現代の日本の状況、特に教育界をとおしながら、お話を申し上げようかと思います。
今、あなたがおっしゃられたことにお答えする前に、ひと言わたくしのほうから申し上げておきたいことがございます。
わたくしもかつて、ORと呼ばれる方に詔霊されて、一度語ったことがございます。その時には、明治維新篇ということで、わたくしが教育家として、啓蒙家として、あの時代を彩る計画のひとりとして、協力者として出たのだということを申し上げたはずなのです。ですから、その時点での話というのは、そのORさんの本をお読みいただければ、わかることであるかと存じます。
それを超えて、また時を超え、再度お呼びいただいたということに関しまして、今のわたくしの心境における、この計画の重大性、そしてこの計画が行われる、その思想的背景における価値観の転換に伴う社会構造、そして教育問題についての、おそらく訪れるであろう大改革時期というものが・・・、これから先のことを思うと、多くのものが起こって、変化していくであろうということが今想像できるのです。
明治維新の時におきましてもわたくしのように、下級氏族の出の者におきましては、将来どんなに学問をしようと、どんなに頑張っていこうと、生まれ落ちたところで、すでに将来は決まっていたという、あがいてもあがいても、人生における挑戦も、努力というものも、なんら人生を切り開いていくという希望も活力も生まなかったという、そのあきらめに満ちた身分制度の中で、人びとは生きていたのです。
その封建社会の中から脱却していくには、新たなものさしが必要であった。その意味において、政治的な大改革者、指導者、そのような者たちが、いろいろ明治の時には出たのですけれど、わたくしは教育、啓蒙思想ということをとおして、新たな学問という尺度を人びとの中に呼び入れることにより、新たな、生まれ落ちた身分社会の構造を打ち砕くために、わたくしは学問というものを多くの人びとに広めていく、そのような新たな価値尺度というものを取り入れていく、それが封建制度を打破し、幕藩体制というものから新たな文明国への転換点として、新たな思想的なものさしの樹立ということを目指すために、わたくしは生まれていったのです。
そして、確かに学歴万能主義ではありませんでしたが、学歴ではなく、学問というものを人びとが、身分に関係なく、どんな家庭に生まれようと、 向上心と克己心を持とうとする者にとっては、いかなる学問であれ、一生懸命やり、その業績を残していったのなら、新たな職業へ進んで行くチャンスを与えられていくという、そういう理念構造があった。それが明治の新政府というものの中に取り入れられていった時に、多くの人びとを、身分制度から解放したあとの新たな価値尺度作りというものを、人びとに提示したのです。
幕藩体制、士農工商という、そういう制度を崩壊させるだけではだめだったのです。それを竜馬たちがひっくり返したあとに、新たな価値尺度というものを提示する者たちがいなければ、人びとは、今度は何を中心に生きていったらいいのかという、その意味において迷ってしまうからなのです。
そのためにわたしは、明治の志士といわれている者たちが大社会改革を行ったあとに、動乱のあとに、新たな文明諸国を手本としていきながら、かつ新たな価値尺度作りというものにおいて、学問というものを中心にして、努力をし、向上心を持ったのであるならば、そして学問をとおして、深い認識力、判断力、克己心というものを身につけていく中で、多くの者たちが、新たな人生の、若者たちが自分の将来に対する夢と希望というものをうちたてることができたのです。
そのエネルギーが新たな明治新政府をとおして、明治の時代、明治から大正にかけてのエネルギーというものを作っていったのです。
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